少し前にLinuxで確定申告 2024年度版が話題になっていましたが、 私がここ数年Linuxのみ(Kubuntu + Google Chrome)で行っている、一番簡単な確定申告の方法を紹介します。

User-Agent偽装などすることなく、なんならスマホもマイナンバーカードも使うことなく、完全にLinuxのみで電子送信までする方法です。

その方法とは、「ID・パスワード方式」を利用することです。

ID・パスワード方式とは

ID・パスワード方式について| 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)

基本的な内容はe-Taxのページを見ていただきたいのですが、 簡単に言えば、あらかじめ発行しておいたIDとパスワードを使って 「確定申告書等作成コーナー」で作成した申告書を直接電子送信する方法です。

マイナカードによる署名が不要となるため、マイナポータルとの連携も不要になり、 そこで障害となっていたUser-Agentによる制限も関係なくなるわけです。

ただし、e-Taxのページには次のように書かれています:

ID・パスワード方式は、マイナンバーカード及びICカードリーダライタが普及するまでの暫定的な対応ですので、 マイナンバーカードの取得をご検討ください。

マイナカードを既に持っていてもID・パスワード方式を利用することはもちろんできます。 今のところ新規のID・パスワードの申請もまだできるようなので、少なくとも今年分は使えるのではないかなと薄く期待しています。

ID・パスワードの発行

ID・パスワードの発行手順は2種類あります

  1. 税務署に行って申請する
  2. マイナカードを使ってWEBから申請する

マイナカードを使った申請はおそらく確定申告と同じ轍を踏むので、税務署に赴いて申請するのがLinuxユーザとしては簡単です。 それにしても、マイナカード等の普及までの暫定措置と言いつつ、マイナカードを使って申請ができるのは不思議ですね。

免許証やマイナカード等の本人確認書類を持って税務署に行き、対面で本人確認をすることでID・パスワードを発行してもらいます。 このとき(私が申請したときは)自分で入力したパスワードがそのまま印刷された紙を渡されて、 職員さんと二人で目視でパスワードをチェックするという、信じがたいフローがあったので注意してください。

こうして発行したID・パスワードは翌年以降もずっと利用できます。 毎年税務署に通うようなことにはならないので安心してください。

ID・パスワードの利用

e-Taxのページにあるとおり、「確定申告書等作成コーナー」でID・パスワード方式を選択して認証したら、 あとは通常通り確定申告書の項目を入力していくだけで、そのまま何事もなく電子送信できます。 少なくとも私は2019年分以降この方法で電子送信しています。

まとめ

完全にLinuxのみで確定申告する簡単な方法として、ID・パスワード方式を紹介しました。 Linuxで困ることとして確定申告を挙げるのはもうやめましょう。

とはいえ、この方式は一応暫定的な対応らしいので、今後いつサポートが終了するかは不透明です。 そのため両手を上げてのおすすめはできないのですが、現時点での一番簡単な方法だと思います。

そもそもとして、行政が特定企業の製品の使用を強制するのはよくありません。 あらゆるOSでの動作保証までしろとは全く言うつもりはありませんが、 余計な制限を設けず、動作確認済み環境以外での動作は自己責任ということにしてほしいと願います。